
台中の、とある街角に佇む、昔ながらの理髪店。女手ひとつで育て上げた3人の子供たちも既に独立し、店主のアールイさんは今日も一人店に立ち、常連客を相手にハサミの音を響かせます。
息子の卒業式に出席するために整髪にやって来る紳士、枕元に立った亡き妻に「髪は黒いほうが良い」と言われ、初めて白髪染めにやって来る老人、親に内緒で流行りのヘアスタイルにして欲しいと懇願する高校生男子……、時が止まったように見える店も、泣いたり笑ったり、その実、結構忙しいのです。
ある日、離れた町から通ってくれていた“先生”が病の床に伏したことを知ったアールイさんは、店に「本日公休」の札を掲げて、最後の散髪のためにその町に向かうのですが……。
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