西成に響け 小さき者の歌 ～メダデ教会の210日～

主人公は元小学校教師で、50歳の時に大学神学部に入学し、牧師に転身した西田好子さん（70）。家族や社会に見放され、行き場をなくした西成の野宿者たちを救おうと牧師になった。約10年前、古い中華料理店を改装し、小さな「メダデ教会」を設立した。<br>教会には「青空伝道」で導いた約20人の信徒がいる。元ホームレス、犯罪者、精神疾患を患う人たち。40～80代と年齢は様々だが、身寄りがない人がほとんどだ。殺人罪で服役していた元ヤクザや刑務所から出所したその足で来た人もいる。西田さん曰く、メダデ教会は「どの教会よりも救いを求める人たちが集う場所」なのだ。<br>西田さんの礼拝は、独特だ。<br>「酒、タバコ、シャブ、喧嘩、ギャンブルを絶ち、更生するんや！」<br>西田さんは、信徒の親代わりとなり、健康管理をし、日々の食事の買い物や病院に付きそう。そんな西田さんを彼らは「お母ちゃん」「姐さん」「先生」など様々な呼び名で呼ぶ。<br>西田さんの夢は、多くの信徒を招き入れる事のできる教会を西成に作ること。去年、自らの貯金をはたき、土地を購入。今年2月、その場所に新しい教会が完成した。<br>人生を諦めて自暴自棄に生きてきた信徒たち。一人の情熱的な牧師の出現で、彼らの人生が変わろうとしている。躓いた人たちの生きなおしに必要なのは何なのか、この教会の姿から考えたい。