香港の流れ者たち

濁流に身を任せて生きる“流れ者(ホームレス)”たちが欲しいのは、和解金か？謝罪／尊厳か─！？ 実際のホームレス荷物強制撤去事件から、香港の片隅で暮らす人々に光を当てた意欲作！ 香港の下町・深水埗(シャムスイポー)で暮らすホームレスたちは、出所祝いにヤクを打ち、こっそり万引きする。そんな彼等の日常は、突然やってきた食物環境衛生署による“清掃”により失われてしまう。ソーシャルワーカーの助けを借り、政府に賠償を求め裁判を起こすが、和解金を前に意見が割れてしまい…。 日本でも宮下公園のホームレス排除により人権を巡る議論が巻き起こったが、香港でも同様の社会問題が起きている。香港では2010年代だけでも2012年、15年、19年にホームレス排除による政府への賠償請求の裁判が起こされている。本作は2012年に高架下のホームレスが強制退去させられた「通州街(トンジャウ)ホームレス荷物強制撤去事件」をベースに制作され、再開発のかげで追いやられるホームレスの排除問題を軸に、移民問題、そして薬物に蝕まれる貧困層など様々な社会問題を浮き彫りにしていく。