ウィドウ　怪物の森

本作ではサンクトペテルブルクの森に伝わる怪物化したある娘の伝説(夫を殺したと村人から責められた娘は衣服を剥ぎ取られ、裸のまま暗い穴に放り込まれ寒さに凍えながら息絶えるのだが、その恨みから怪物となって夜な夜な森をさまよい、見つけた人間の衣服を剥ぎ取り、魂も奪い去る)が描かれている。また本作に登場する救助隊の失踪事件は実際に起こった事件をモチーフにしており、圧倒的なリアリティの創出に成功している。森に逃げこみ森で一生を生きなくてはならなかった人々、逆に森に捨てられた老婆、老人、怪物の誕生の仕方(原因)は世界でも様々で、各地の風土、歴史、文化がにじみ出ていて、とても興味深い。本作ではダーク・ファンタジーの定番、グリム童話に出てくるような“森、怪物”の世界観を『パラノーマル・アクティビティ』『トロール・ハンター』の手法(POV)などを用いて描いている。