
野菜の行商をしている勘吉(鶴田忍)。さん(赤座美代子)夫婦が、直参旗本の愛妾美鳥(中条郷子)の駕籠行列の道筋をけがしたと無礼討ちにあった。医者の必死の努力もむなしく、勘吉は失明、さんは半身不随となった。二人は、老いた父母と五人の子供たちに心を残しながら、足手まといとなってはと自らの命を絶った。その報せを聞いてかけつけた主水(藤田まこと)や左門(伊吹吾郎)の前で末子すて(山田絵美)が、両親の遺言を丸暗記してしゃべり始めた。「このうらみ、はらせぬうらみかと、ふたりして口惜しさに、身は炎になるかと覚えてろ!」
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