第一部 遥かなる故郷

第一部 遥かなる故郷

高画質 200ポイント
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戊辰戦争…官軍に追われ、敗走する幕府軍。雪の中を、血と泥にまみれた新選組の隊士が南部藩大坂蔵屋敷にたどりつく。「わしは、去る年脱藩いたしました吉村貫一郎と申す組付同心にてござんす、帰参ばお許し下んせ」応対に出たのは差配役の大野次郎右衛門。「久し振りだの、貫一」一瞬の交情、しかし次の瞬間大野はこう言い放つ「恥を知れ!腹ば切れ!」その夜、曲がった刀で腹を切り、ひとり死んでゆく吉村貫一郎。「盛岡さ帰りてえ、しづお前に会いてえ…!」このドラマは、故郷を愛し、家族を愛した新選組の無名隊士の物語である。時を遡った盛岡南部藩…貫一郎と大野は寺子屋で学ぶ幼馴染だった。青年となった2人の前に花のような美少女、しづが現れる。たちまちしづに夢中になるふたりだったが、本家の兄の死によって冷や飯食らいから4百石の組頭に出世した大野と百姓の娘では結婚が許されるはずはなかった。夏祭りの日、貫一郎はしづに求婚する。「嫁こさ来てくなんせ、畢生のお願いでござんす」涙で答えるしづ。祝言の夜、貫一郎はしづに2つの誓いをたてる。「文武に精進して、身をば立て、子にひもじい思いはさせぬ」「たとい病であれ戦であれ、幼子ば残して死ぬような無体はせぬ」この2つこそが、吉村貫一郎の「義」となるのであった。元治元年、南部盛岡は凶作にみまわれていた。藩校で学問と武術の助教を勤めるまでになっていた貫一郎だったが、身分はわずか二人扶持の足軽同心、さらに2人の子をなした吉村家には飢餓の恐怖がせまっていた。その頃、京都では新選組が、三条小橋、池田屋に参集した長州の志士達を強襲し、血祭りにあげていた。この池田屋事件によって新選組の名は天下に轟く。身分の差など一切なく、腕さえ立てばどんな素性の者でものし上がることができる義士集団の存在は南部でも聞こえていた。吉村の家では、母の千代が餓死する事態にまで貧窮は進んでいた。2人の孫に食べさせるため自ら食を断ったのだ。そしてしづの妊娠…貫一郎は大野に告げる。「今生の別れじゃ。尊皇攘夷の志ばもって、京に出る」「妻と子を食わせる為の、それがお前の選んだ道か」大野はあえて追わず、貫一郎はただひとり脱藩浪人として京に向かう。妻と子に脱藩者の家族という汚名を着せてしまったことを泣いて詫びながら。
スタッフ
監督: 松原信吾
監督: 長尾啓司
脚本家: 古田求
脚本家: 田村惠
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