
皇帝とフランス侵攻に乗り出す決意を固めたヘンリー8世は、手始めにブーローニュを攻略することにした。総司令官にブランドンを、ついでトマス・シーモアを海軍提督、サリーを陸軍元帥に任命する。スペインから皇帝特使のナヘラ公爵が宮廷を訪れ、対仏同盟が結ばれた。
ヘンリーはキャサリン・パーと結婚した。6人目の妻である。キャサリンは教養のある知的で優しい女性であった。病人の看護にも慣れていた彼女は、脚の潰瘍の悪化に苦しむヘンリーを献身的に看護する。また、王のその子供達の仲も気に掛け、親子がもっと頻繁に会えるよう心を砕く。
ヘンリーは出陣前に、エドワード王子についでメアリーとエリザベスも王位につく資格を得た新しい王位継承法が議会を通過するよう準備を整えた。また、留守中、国を預かる摂政にキャサリンを任命する。顧問団は驚くが、中でもガーディナー司教はおもしろくない。彼は王妃を異端者(隠れプロテスタント)と疑っていて、いつかそれを暴いてやろうと虎視眈々と狙っていた。
ヘンリーの率いる軍はイングランドを出発し、ブーローニュに迫ってそこで戦闘を開始した。ブランドンの古き良き時代の騎士の戦いではなく、大砲と銃を使った砲撃戦だ。ブーローニュは堅固な城壁で囲まれていたが、ヘンリー達は難なくここを落とせると楽観していた。
宮殿にいる王妃キャサリンは、王妃と王妃付きの家臣達のための私設司祭にヒュー・ラティマーを任命する。ラティマーはもともとはウースターの司教だったが、数年前、ヘンリーの信仰6箇条に反対したため司教の座を追われていた人物だった。もちろんこの人事は危険なものだったが、聖書の英語訳を広めたい(ヘンリーは英訳聖書をいったんは認めたが、このころはほとんど禁止していた)と考える改革派の彼女は、同じ考えのラティマーを招いたのである。そしてそのことはすぐにガーディナーの耳にも達した。
ブーローニュでは悪天候が続き、最初の楽観とは裏腹に城はなかなか陥落しなかった。ヘンリーに雇われているイタリア人の画家で軍事工学の技師ジローラモ・トレヴィソの進言で、城の下までトンネルを掘り、爆弾を仕掛ける作戦に乗り出す。
ある日、城からフランス兵の一隊が抜け出したという報を受け、サリーとブランドンが追撃に向かい、森で遭遇、白兵戦となる。そのときブランドン達は隊長のルスローとその娘ブリジットを捕虜にした。
期日を急かせるヘンリーの焦りにもかかわらず、トンネル掘りは遅々として進まない。悪天候と不衛生という劣悪な環境の中で、疲弊した兵士達の間で赤痢が発生、次々と兵士達の命が奪われていった。
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