
ヘンリー8世率いるイングランド軍はフランスへ侵攻しブーローニュの町を包囲していたが、兵士たちの間に赤痢が蔓延して死亡者が続出したため兵力が急激に落ちてしまっていた。イタリア人工学技師ジローラモ・トレヴィソの案でブーローニュの城壁の真下に向けて掘っていたトンネルは未だ完成せず、兵士のハーストたちが身を粉にして掘削作業を進めていた。ヘンリーは思うように進まない作戦に焦りの色を隠せず、苛立ちが募る。そうしているうち、同盟を結んだ神聖ローマ皇帝軍のほうは包囲していた2つの砦を占拠してしまった。
イングランドの王宮では、ヘンリーの留守を預かるキャサリン・パー王妃が摂政として国事を執っていた。キャサリンの手腕は各方面から評され、またエドワード王子を王宮に呼び寄せてメアリー王女やエリザベス王女とともに責任を持って教育する。ただし一方で、ガーディナーやメアリーからは異端(隠れプロテスタント)ではないかとの疑いを持たれていた。
戦地にいるブランドンは、捕虜にしたフランス人父娘のうち、父親だけは解放し、娘のブリジットはそばに置いたままにする。そのうちお互いの間に惹かれあう気持ちが生まれ、2人の体は結ばれた。
城壁の下へと続くトンネルはとうとう完成。トレヴィソとハーストは爆弾の導火線に火をつけて出口へと走る。途中でトンネルが崩れトレヴィソが生き埋めになるが、作戦通り爆弾によって巨大な城砦は崩れ落ちた。兵士たちは歓声を上げて城内へとなだれ込み、ヘンリーの顔にも笑みがこぼれる。こうしてイングランド軍はブーローニュの町を陥落させたのだった。
勝利を手にしたヘンリーだったが、兵力の激減を理由に当初の目的であるパリへは侵攻せずイングランドへ戻ることを決める。軍事に多額の費用がかかったため国の財政も困難を極めていた。宮廷に戻ったヘンリー一行は大喝采を浴びるが、その後まもなく同盟国だったはずの皇帝はフランスと単独講和を結ぶことが決まり、皇帝との架け橋であった大使のチャプイスは患っていた痛風が悪化して国に帰ることとなる。さらにはフランス軍がブーローニュに侵攻しようとしているとの報告が入った。歴史に残るはずのこの大勝利がつかの間の喜びとなりそうな予感を抱きながらも、それを断ち切るようにヘンリーは国中でこの偉業を祝おうとするのだった。
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