
鬼塚の顔は痛々しく腫上がり、治療を施されていた。
2週間前にトラを拾った時にいた若いカップルに出会い、口論の末、殴り合いの喧嘩をしたのだ。
トラの部屋にやってくる鬼塚。
と、そこには、響子が一人、鬼塚を待っていた。
トラとカモシタがじゃれ合ってる中、ほろ酔いの響子は鬼塚に絡み始める。
「何をして来たか知りませんけど、部長は一人で頑張り過ぎです。もっと楽にいきましょう」
思いがけない部下からの言葉に、熱いものがこみ上げる。
鬼塚は泣きそうな自分が堪えられなくなり、洗面台で何度も顔を洗った。
翌日、怪我の治療は施されているものの、晴々とした表情でオフィスを歩き、社長室に向かう鬼塚。
デスクに座っている社長の竜崎の向かいに立ち、ポケットからおもむろに辞表を取り出す。
リストラ作業も終わったのに何故?戸惑う竜崎は鬼塚に辞める訳を尋ねる。
「人を辞めさせる仕事が出来なくなりましたから」と鬼塚は告げ、デジタル・ドラグーンを去っていった…
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